保護犬を引き取った事のある方は、一度は動物愛護について考えたことがあると思います。ヨーロッパと比較すると、日本が動物愛護について遅れているのは、よく出てくる話ですが、世界のアニマルシェルターはどのようになっているのか、知っておこうと思いこの本を手に取りました。
引き込まれた本!
本書の題名は『世界のアニマルシェルターは、犬や猫を生かす場所だった』です。
著者の本庄さんは日本ではあまり聞き慣れない動物法学者で動物保護の研究をされています。
この本は著者、本庄さんが8カ国25カ所のアニマルシェルターを実際に訪問し、見聞きした体験を基に書かれています。
動物愛護の本というと堅苦しいイメージがありますが、写真がありとても読みやすい文章でぐいぐい惹きこまれていきました。
各国のアニマルシェルター
各国のシェルターは、その国の特徴が良く表れていて興味深かったです。
・アメリカ:家畜動物が保護されている
・イギリス:小動物も保護、生かすシェルター
・ドイツ:ティアハイムと呼ばれる施設が有名。殺処分ゼロの仕組み
・ロシア:野良犬に優しくする人に対して閉鎖的なアニマルシェルター
・スペイン:自然保護区を活かしたシェルター
・ケニア:密猟について考えさせられる
・香港:イギリス的要素のあるアジアのシェルター
日本では
「センターには、少し前に流行って犬種が来る」と言われています。少し前に流行ったシベリアンハスキー、現在はチワワが多いそうです。犬種による気質を知らないで安易に飼ってしまい持て余してしまうことも。たしかに、私が行った譲渡会でもチワワが多い印象がありました。
しかし、ここ数年で日本のシェルターは変わってきています。チャリティー文化があまりない日本でも運営できるように工夫したり、公設のアニマルシェルターが動物を生かす場所へと生まれ変わろうとしています。
手に取って欲しい!
この本を多くの方に読んでもらって、保護されている動物はどこからきたのか、なぜここに連れてこられたのか等を考えてもらうきっかけになればと思います。
世界の現状と日本の現状を知り、動物保護後進国の汚名返上となるように世の中が変わっていけるように、自分たちができることから始めていけたらと思います。
ペットを迎えるときに、ペットショップで買うのではなく保護施設などから引き取るという選択があるということを広く知ってもらい、ペットが最期まで尊厳ある暮らしが出来るように、少しでも手助けをしたいなと感じました。