私の実家の犬は、動物愛護センターからきた保護犬でした。
もう10年以上前の動物愛護センターの話ですが、そのときはまだ殺処分は行われていたように記憶しています。(昨年は、犬の殺処分がゼロになっていました。)
私が住んでいた自治体とは違いますが、殺処分ゼロに向けて動物愛護センターが、どのような取り組みしてきたのかを知っておくためにこの本を手に取りました。
熊本市動物愛護センターの奮闘
本書の題名は「ゼロ! こぎゃんかわいか動物がなぜ死なねばならんと?」
著者は片野ゆかさんです
熊本市動物愛護センターの10年の闘いを記録した本です。
殺処分ゼロなんて夢物語と笑われながらも、ほぼゼロを実現させたノンフィクションです。
殺処分とは?
私は、誤解していました。
動物の殺処分は、安楽死と思っていましたが違いました。
多くの犬猫を殺処分する場合は、炭酸ガスによる窒息死を用いられています。この方法は、5分以上のたうちまわって苦しんで死にます。
この本には、殺処分の様子やその後の焼却されるまでがしっかり書かれていて、つい本を閉じたくなりますが、人間のエゴのせいでどれだけの動物が犠牲になっているかをしっかりと理解しなくてはいけないと思いながら読み進めました。
動物を飼う責任
この本を読んでいる時に感じたのは、一部の無責任な飼い主が多いことです。読んでいるだけで腹が立ちます。
安易に動物を飼い、こんなはずじゃなかったと捨てにくる、本当に身勝手です。
この本に登場するペットショップは、衝動買いを防ぐために、飼い主にしばらくショップに通ってもらい犬種や個体の特徴、注意点などを学び、信頼関係を築いてから販売するという方式をとっているお店が紹介されています。
サラのような保護犬をボランティア団体から引き取るときは、家族構成、住環境などの審査があります。
犬を飼う前の事前審査はあってもよいのではないでしょうか。そうすれば、飼育放棄が減るのではないかと思います。
全国の自治体で
動物の栄養状態を改善し、トリミングをして、しつけを行い新しい飼い主を見つけるために譲渡会を開く。それだけでも大変なのに、この自治体では殺処分されないという評判が、別の自治体の人が遺棄していくという新たな問題が起こります。そんな中でもセンターの人やボランティアの方々の、諦めない根性と温かい心には頭が下がります。
しかし、夢物語で終わらせるのではなく他の自治体でも目指さなければいけません。
殺処分ゼロに向けての活動を、このような本によって多くの方々に知ってもらえたらなと思います。